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女性医師に整形外科は難しい?

更新日 2023.3.6

平成27年卒
松沢 優香里

 

整形外科に少しでも興味のある若手女性医師・医学生に向けて、
他の先生方のように留学経験や特別なサブスペシャリティがまだ無いため、女性医師が整形外科で働くことについて、私の経験をもとにお話しさせていただければと思います。

 

① 後期研修中:一整形外科医として
単純に最も興味をそそられたという理由で選択しましたが、足持ちや骨折・脱臼整復などの力仕事が多そうな整形外科の中で正直女性でどこまでできるのかという不安と覚悟を持って整形外科に入りました。
実際は、働いていてもっとパワーがあればと感じる場面はありますが、特段性差を意識することはなかったように思います。それはもちろん周りの先生方が色々な意味で力不足の私をサポートしてくださっていたからに他なりませんが、同門の女性整形外科医の先生方もバリバリ手術されていますし、男性だから女性だからという壁を感じることが少ない職場は居心地がよかったです。

 

② 大学院:お母さん医師として
大学院中に産休育休をいただきました。その間、なかなか仕事復帰する自信を持てなかったことと、私なりに子育てに没頭していたため、このタイミングで仕事から離れるお母さんたちの気持ちがよく分かりました。
千葉大でなければ本当に辞めていたかもしれません。
育休期間や復帰後の働き方について教授や医局の先生方にご配慮いただき、手外科の先生方に日々サポートしていただきながら、現在は仕事や研究をなんとかやっているという状況です。復帰すると改めて、老若男女満遍なく色々な患者さんがいて、多くの疾患・多くの治療法のある整形外科は、刺激が多く、やはり素敵な科だと感じています。

 

結論として、私がこれまで整形外科で働くにあたって女性医師だから難しい、と感じることはほぼありませんでした。
仕事をしながらの子育ては、他の科でも他の職種でも、同じようなことが課題となってくると思いますし、整形外科だから大変ということは特別ありません。その点ではおそらくどの科に進むかよりどこで働くかが肝要で、千葉大整形外科は多様性を重じていて働きやすい環境だと本当に思います。

 

さいごに
いつかは…と思っていても、結婚も出産も、自分の意思だけではどうにもならない不確定要素が多く、スケジュールを組んで前々から医局に相談、という訳にはなかなかいかない案件だと思います。
先が読めない漠然とした不安を感じつつも、少しでも整形外科に興味のある方は、ぜひ一度千葉大整形外科に見学に来ていただけると嬉しいです。少し道が開けるかもしれません。

 

プロフィール
興味の赴くままに整形外科への入局を決意。
入局先は、医局員が多いこと・サブスペシャリティなどの選択の自由さに惹かれ、
縁もゆかりもなかった千葉大に。
千葉大関連病院にて4年間後期研修し、整形外科専門医取得。
結婚出産を経て現在大学院生2年目、手外科グループにて勉強中。