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進路に悩んでいる先生方へ

更新日 2024.4.1

平成29年卒 
稲熊佳代

平成29年卒の稲熊佳代と申します。

進路に悩んでいる女性の先生方に向けて、私の経験をお話ししたいと思います。

 

私は入局3年目の終わりに第一子を出産しました。産後1年間の育休を経て、昨年の4月から大学病院での勤務を再開しました。

今このような記事を書いていますが、私自身、研修医の頃は出産や育児についてそれほど真剣に考えてはいませんでした。当時、複数の進路で迷っていましたが、千葉大学整形外科への入局を決めたのは医局の雰囲気の良さに惹かれたのが大きな理由で、育児との両立のしやすさを重視したわけではありませんでした。ですが今思うと、あの時に別の道へ進んでいたら、育児をしながら仕事を続けることは出来なかったかもしれません。それほど、医局の先生方には日々手厚くサポートしていただいています。

 

まず、産後に1年間お休みをいただけたことがとても有り難かったです。初めての育児で分からないことばかりでしたが、復職まで1年の期間があることで、気持ちにゆとりをもって育児に向き合うことができました。復帰後も、勤務時間や外勤先について、育児と両立ができるよう色々と配慮をしていただきました。そして何よりも周囲に子育て中の女性の先生がたくさんいることが心強かったです。復帰後なかなか思うように働けず、落ち込んでいたときも、「私も最初はそうだったよ」と声をかけてもらい、とても励まされました。男性の先生も、小さいお子さんがいる家庭の方が多く、育児の大変さを理解してくれ、本当に有難い環境にあると日々感じています。

 

今進路に悩んでいる先生の中には、当時の私と同様にまだ育児について現実味がない方も多いと思います。私もその頃は「力仕事は大丈夫か」「体力的にやっていけるか」などを心配していました。実際にはそうした部分で悩んだことはほとんどなく、育児と仕事の両立の方がよほど大きな問題でした。なので、いざそうなった時に後悔しないよう、進路決定の際に育児との両立についても少し考えてみると良いかもしれません。私の経験が少しでも参考になれば幸いです。